「おまえは優しいから最後の最後で、フッと手を緩めるからダメなんよ。」これは、独立したての時に再会した専門学校の時の先生からのダメ出し。当時、内心ムッとしたのは図星だったからだと思う。「優しい」の本意は「ぬるい」だったのだろう。
デザインやサイト構築において、最後の一締めに着手するか否かで、完成度的にも、その後の反応・反響的にも大きな分かれ道になるというのは、今だに毎回毎回実感するところ。
只々グリッドにはめていくだけだと、のっぺらなものになってしまうので、何度も何度も流し見しながら、見えないが確実に存在している線をもとに、伝える解像度を高めるために微調整を繰り返す。
それらのディテールの集合体が佇まいをつくり、その佇まいが『あり方』を醸し出すようになる気がする。いつまで経っても、どこまでやっても完璧の尻尾すら見えないが、その姿勢だけは持ち続けないと『つくる人』では無くなってしまう。
本当に毎回毎回あのダメ出しが脳裏をよぎり、最後の一締めを怠るとその後長期に渡って影響が出ることを再認識しながら、「いかん、いかん」と自分にダメ出しを繰り返す。
新人、中堅、ベテラン問わず、ダメ出しは永遠につきもの。それを他人に言われるか、自分自身で言うかだけの違い。どちらも言わなければ、クライアントやその先から。誰からも出なければ、歳月を経て負債的な評価・評判となって自分に返ってくる。
「よし、完成!」から、プライドを持って最後の一締めを。(お気づきかと思いますが、この記事は自分への戒めで書いております。)
追記:
コロナも終息しかけてあと一締めというところで開放してしまったなぁ。。