インハウスデザイナー

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インハウス◯◯のリスク

長年愛用している某商品の会社さんの広告内容がTwitterで炎上している。「パワハラだ」「サイコパスだ」「もう買わない」とか。確かにやさしい親しみのあるブランドイメージとはかけ離れた内容で、ブランド毀損になりかねない。

 

炎上商法を意図的にやるには、商品やブランドとの相性の悪すぎるのと、昨今のムードを考えると、その表現はアウトの領域だとわかりそうなもの。広報のみの失敗であって欲しいと期待を残し継続愛用しますが。

 

 

上記の会社がどうかは分からないが、周りで目につくのは「インハウスでは同様のケースが起こりやすい」印象がある。

 

最近、いろんな会社さんでも、社内にクリエイティブやマーケティングなどの部署を持たれるところが増えてきている。一般的には「インハウスデザイナー」や「インハウスマーケター」と呼ばれるもの。

 

スピード感や意思の疎通などメリットはたくさんあるし、ある程度の経験値を持たれている方が担っている場合は吉と出ると思う。ただ、よく目にする状態としては、新人さんや他部署からの移動など、経験値がないままに担当になっていたりする。

 

インハウスということは、「同じ渦の中で考え実行しないといけない」ということ。そこでは良いも悪いもしがらみも全部見えてしまい、最終的に縦割りの中で自分の業務に降りかかってくるので、コンパスの磁石がグルグル回りN極を指してくれなくなってくる。

 

優秀なインハウスの人は、基礎設計やハンドリングに従事し、その先は専門業者へ委託する。が、よく目にするのは新人インハウス◯◯にすべてやらせてしまう。そして「失敗させて学ばせる」という経営者の言葉とセットで進んでいる様子。

 

それはそれで良いけど、この「失敗」が指す基準や範囲を、同じ渦にいる担当者と経営者が見えなくなることがインハウスでのリスクだと思う。

 

経験上よくあるケースとして、これまでボロボロの自作サイトだったにも関わらず、リニューアルで良くなってくると、急に細かな指摘がガンガン入ってきたりすることがある。「下のものに任すから。私は興味がないので。」という経営者ほど、火がついて後から乗り出してくることが以前はよくあった。「あれがセーフだったのに、これはアウトかよ~笑」とも思うのだが、意識が芽生えたということで喜ばしいことだと受け止めている。

 

要は、「渦の外からは冷静に見渡せる」この状況下であることが大事なのだと思う。

 

プロのデザイナーやマーケターは、技術やノウハウだけではなく、モラルやルール、トレンド、市場のムードまでを肌感とロジックで持ち合わせているもの(べき、でありたい)だと思う。その上で渦の外から第三者目線で提案内容を組む。

 

もちろんそれらが的を外すことは常なので、今度は社内でその提案に対して渦の外から正しくジャッジし、ハンドリングすることにフォーカスしていれば、某会社さんの炎上事件のようなことは起こらないのでは?と見てしまった。

 

知らんけど。