09 / 12

全業種必須の“UXデザイン”

UXデザインという言葉。

直訳すると“ユーザー体験をデザイン”するということ。

 

今や、この用語はすべての業種で必要不可欠なものとなった。

(以前はWEBサイトのユーザビリティーの観点で使用されるものだったように思う。)

 

具体的にどのようなことをするのか。

プライベートで似たようなことがあったので例に。

 

 

この度、来年小学校に上がる次女にランドセルを買った。

そして、この時に長女から「私の時にやったアレやってあげて!」と要望が。

 

アレとは、“宝(ランドセル)探し”形式にすること。

 

四箇所くらいにクイズを書いた紙や空箱などを仕掛け、

保育園卒業検定的なクイズを順にクリアしながら、

ランドセルに辿り着かせるというもの。

(長女の時についつい柄にもなくやってしまった。気持ち悪いでしょ。)

 

 

ただ渡すだけであれば、物に対する喜びでしかなく、それは一瞬で終わるが、

これを“体験”として渡すことで喜びは色濃く記憶に残る。

 

案の定、ギャーギャー騒ぎながら1階2階をドタバタ走り回り大騒ぎ。

そして翌日、次女は保育園でこの出来事を先生や周りに触れ回った様子。

また三女の時には、こいつが「アレやってあげて」と言うに違いない。

 

 

彼女たちの記憶の中では、

「ランドセルをもらった喜び」ではなく、

「ランドセルをもらった時の喜び」として記憶される。

同じことのようでありながら、心の中に根付くその価値は全く違う。

 

 

物や情報が溢れかえり、世の中のスピードがドンドン早まる今だからこそ、

少しでも濃い体験により有益な時間を過ごさせることで、

その体験者にとってのバリューは特別な物になる。

 

 

彼女たちの記憶の中に、いつまでこの体験が残るかは分からないが、

自分たちが親となり、子供にランドセルを渡すときに思い出してくれるかな?

 

08 / 16

モノより体験が激化する。

IoT(モノのインターネット)により各自のデバイスや町中のあらゆるモノが収集した情報(交通量、降雨量、脈拍、発汗、動線、距離、位置など)は常時インターネットを通じて送信され、クラウド上のビッグデータに蓄積されていく。そしてその膨大な情報をAIが分析し、最適化したうえで再び個々のモノに対し指示を発していく。

 

各個人の過去の体験履歴をもとに、さらに改善・最適化された情報が届くようになり、娯楽・暮らし・体調管理・環境なども人間はただただ情報を受け、それに対してドライにジャッジするだけ。そしてその履歴も構築・分析され、そのうち気がつかないほどにコントロールされ、勝手にいろいろ便利になってしまう。

 

未来の話だな〜と思っていたが、音楽・本・ニュース・ショッピング・天候災害など、すでにプラットフォームに乗せられている自分がいる。

 

これまでの時代の流れとは比にならないスピードで進化する。今どの会社も売ることに必死だが、その辺はエンドユーザーを主軸に勝手に整備されるようになる。そうなると、いよいよ本格的に考え方を”購買”から”体験”にシフトしないといけない。

 

そしてこの「未体験→体験」の間の一歩に、デザインはさらに重要な役割を持つようになる。

 

 

 

 

そして、テクノロジーの進化に対する反発心からなのか、
最近アンティークやアナログな物、原始的な暮らしにばかり目がいってしまったり、何か買うときにも長く使えて経年変化を楽しめるものを選んだり、壊れても修理して使ったりするようになった。

 

女性は”一点モノ”という言葉に弱いようだが、
最近の僕は”一生モノ”という言葉に弱い。

 

この時代の変化と個人の嗜好をどう折り合いをつけていくのだろう?

 

 

バリのビルケン
バリの結婚式で買ったビルケンシュトックの現地限定モデル。おばさん御用達の便所スリッパみたいな感じが気に入っていて、フットベッドを交換したり(修理費用で新品が買える)、裂けを紐で縫って補強したりして、気がつけば10年。 ※汚くてスミマセン。

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07 / 18

美は細部に宿る?

いつかどこかで「美は細部に宿る」という言葉を聞いから、良い言葉だと思い所々で使っていたけど、(最近ではきゃりー出演CMもありますが・・・)調べてみると正式には「神は細部に宿る」という言葉で、建築の世界から生まれた言葉らしい。

 

勝手な展開系や意味も諸説あるようだけど、勝手に以下のように捉えて継続使用。
「美しいものは、細部のこだわりの集合体によって、総合的に美しく見える。」

 

このところの体制として、僕は監督役が多く、制作物の濃度を薄めることなく各プロジェクトを進行しなければならない。各々の水準で進めてしまうと組み立てた時に全体的なバランスの辻褄が合わなくなるし、クオリティーが下がるのであればチームでやる意味がない。

 

なので、趣旨や方向性を伝えた上で、それを表現するために、「美は細部に宿る」ということで細かく幾度も修正してもうことになる。僕は、自分が作業しなくて良いとなると、ここの精度が異常に高くなるため大変申し訳ない。(僕は絶対に自分のもとで仕事したくない。)

 

ただ、皆さん「良いものを作る!」という精神と持ち前のガッツ(?)で、度重なる修正依頼にも終始前向きな姿勢で取り組んでくれるので感謝と尊敬の念を抱かざるを得ない。(ご協力いただいた皆さん有難うございました。)

 

そんなこんなで良いものがいくつも生まれた。きっとこれらはクライアントの先の多くの人々に喜びや良い選択を与えることができると思う。

 

これらの事例紹介はまた追って。

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で、プライベート。
事務所用として作陶していた菓子箱がようやく焼きあがった。これも「美は細部に宿る」でいろいろ工夫を凝らしてみた。現場でのアドリブで施した模様も良い感じに表れ、古風な形状とモダンな模様の融合がうまくいった。

仏三色線柄菓子箱

 

美は細部に宿る1

 

美は細部に宿る2

 

美は細部に宿る3

 

美は細部に宿る4
仏三色線柄菓子箱  赤松健次 作 ¥120,000(税込)

 

仏三色線柄菓子箱 #陶芸作品 #デザイン #陶器 #食器 #和洋折衷

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